仕事と子育ては違います

目の前に出されたかなりの無理難題。
「こいつ・・・イャなヤツ(*_*)」と思う上司からのリクエストであれば、笑顔で嫌味を言い、難色を示すところが・・・今回の仕事は、尊敬する上司から直々の提示。少し考えつつも、腕まくりをする思いで、「いっちょ、やりますか!」と、あなたは笑顔で引き受けます。
週末に大物の洗濯をしながら・・・深夜にお風呂を洗いながらも、あなたはその仕事のことを考え、実際に仕事を家にも持ち帰り、寝る時間を惜しんで仕上げます。
上司からは、「心からの感謝と労い」を受け、自分も大きな達成感。疲労困憊したものの、評価も受け、結果も出せたことに喜びも感じ、充実感で自分を褒めます・・・
ありませんか?こんなこと。

仕事をする女性は、こういう時間を積み上げながら、今の「ポジション」を築き上げてきたことと思います。たまには空振りのことはあるとしても、概ね、努力したことは結果につながり、その結果は評価され、達成感を得る、ものですね。
また、そこに偶然や幸運が作用すると、努力以上の結果も生まれ、より高い評価を得ることもある・・・
じつは、こういう充実感は、専業主婦、専業ママには経験できない時間です。まあ、扶養家族になる選択をし、社会にではなく「家庭」という小さな環境に入ることを選択したのですから、「評価されること」を望むのはお門違い!と働くママ達は思うかもしれませんね。
この「努力と結果」「達成と評価」を、働くママ達は社会人として常々経験していることにより、じつは知らず知らずのうちに「努力は報われるもの」という公式を自分の中に作り上げています。

しかし!
子育てと仕事は、根本的に異質のものです。では、何が最も異質か?
答えは「努力は結果に結びつかないことのほうが多く、達成感も評価も得られない」ということだと思います。
たぶん、そのことは、すでに経験済かもしれません。ずっとずっと抱っこしてやっても泣き止まない・・・必死に時間を作り、用意した離乳食を全く食べない・・・一生懸命に絵本を読んでやっても、聞いちゃいない・・・
実際、首根っこを押さえつけ、「私がボス!あんたは私に従う存在!」というふうに意識を植え付けるという猿回しや、トレーナーによってしっかりと教育され、躾けられるワンちゃんのほうが、ずっと「聞き分け」は良く、「してやること」に感謝され、「命令すること」には従うでしょう。

相手は「生き物」。そして、困ったことに、良くも悪くも「あなたとあなたのパートナー」のDNAを受け継いで生まれてきています。子どもにため息をつくことは、ある意味、天に唾することでもあるのです。

努力が報いられ、それなりの評価がついてくる仕事と、子育ては全く違うものです。それを肝に命じ、「なんでなの?」と思わないことです。
子育ては「修行」です。それも難行苦行。報いを求めず、ひたすら修験道の境地で、ひたむきに向かってください。